※ペットの健康状態や気になることがある場合、すぐにかかりつけの動物病院を受診し獣医師に相談してください。
猫の健康を守るコツの1つに、デンタルケアがあります。
この記事では、猫のデンタルケアが必要な理由とおすすめのフードやおやつを3つ紹介します。
猫のデンタルケアの必要性
猫のデンタルケアの必要性について、3つのポイントにまとめて紹介します。
1. 口内環境の健康維持
猫も人間同様に、毎日の食事で歯垢がたまり歯石ができ、デンタルケアが不十分だと細菌の繁殖を促して、歯周病を発生させます。
歯周病が進行すると炎症や口内炎が起こり、強い口臭や歯が抜けたり溶けたりなどの問題が生じる可能性があります。
デンタルケアを早い段階から行うことで、口内環境を改善しつつ健康の維持に繋がるのです。
筆者の猫は歯周病の悪化から奥歯を抜いたけど、複数の検査と手術、薬の処方などで約20万円かかりました(加入しているペット保険の適用範囲外)
抜歯手術は猫自身にも飼い主にも大きな負担になり、術後の状態も必ず改善するとは言えません。
すでに歯周病を発症している場合には、日常のデンタルケアと併せて動物病院に相談しましょう。
2. 全身の健康への影響
猫の歯の健康状態は、全身の健康にも大きな影響を与えます。
歯周病や口内炎が進行すると、感染症や内臓疾患のリスクが高まると言われています。さらに、炎症反応が全身に広がることで、免疫力の低下や炎症性疾患の発症にもつながります。
猫の健康を維持するためには、デンタルケアが欠かせません。
歯周病はイヌやネコとなどの小型伴侶動物に最もよくみられる感染症であり、歯周組織の慢性炎症疾患として定義される。4歳のイヌおよびネコは約80%が歯周病を発症しており、歯周病は全身の健康や生活状態にも悪影響を及ぼすことが知られている。歯周病は歯垢内に存在する内因性の細菌によって始まり、口腔内細菌の増加を介し、歯周病に関連する病原性細菌が成熟したバイオフィルムを形成することにより発症する。歯周病原性細菌はたとえ少数であっても歯周組織の環境を変え、異常な宿主免疫反応を誘発し、歯周病を進展させる。
3. 経済的な負担の軽減
定期的なデンタルケアは、将来的に発生しうる経済的な負担を軽減する可能性があります。
歯垢の段階なら自宅でのケアで改善が期待できますが、歯石が蓄積した状態になると手では取り除けません。猫の歯石を取るためには、動物病院で全身麻酔をして除去する方法が一般的です。
費用は2~3万円が相場とされていますが、猫の大きさや既往歴、健康状態によって変動していきます。また、感染症や内蔵系の疾病を患った場合には定期的な治療費が必要で、治療内容によっては高額になります。
デンタルケアを行うことで、猫の健康を保つだけでなく将来的な負担を減らすことが期待できます。
筆者の猫は歯周病の悪化から奥歯を抜いたけど、複数の検査と手術、薬の処方などで約20万円かかりました(加入しているペット保険の適用範囲外)
多くのペット保険の会社では口腔治療は適用外なため、経済的な負担を減らすためにもデンタルケアを取り入れていきましょう。
猫のデンタルケアの実践方法
猫のデンタルケアの方法を3つ紹介します。
すべてを取り入れるのが理想的ではありますが、難しい場合には簡単なものから始めていくのがおすすめです。
1. 歯磨き
猫の歯磨きは、デンタルケアの中でも最も効果的な方法です。
専用の猫用歯ブラシや指ブラシを使用して、歯垢や歯石を除去しましょう。最初は慣れていない猫も多いため、指先からはじめて徐々にブラシに慣らしていくことが重要です。
また、猫用の歯磨きペーストを使用することで、猫が嫌がりにくくなります。
ちなみに猫のアゴの大きさに対して人間の指の方が太く、指ブラシや歯磨きシートは奥歯に届きにくいので注意
2. デンタルケア用フード
猫のデンタルケアの方法として、専用のデンタルフードを取り入れることも効果的です。
デンタルフードは歯垢や歯石の蓄積を抑えるために開発された特殊な食品であり、咀嚼することで歯の表面を磨く効果が期待できます。
デンタルフードには、ドライフードとおやつタイプがあり、食事から日常的に歯のケアができます。
おすすめデンタルフード・サプリ・おやつ4選
歯ブラシを使ったデンタルケアが難しい人には、食べるタイプから始めるのがおすすめです。
直接磨くよりは効果は薄めですが、食事からデンタルケアを行うことで、口臭ケアや歯石予防、健康維持に繋がります。
①『カナガンデンタルキャットフード』食べるだけでデンタルケア
上質なプレミアムフードで人気のカナガンが出しているデンタルケア用フードです。
ドライフードをカリカリ食べるだけで、海藻の『アスコフィラムノドサム』から作られた『プロデン*』の効果で歯石を作りにくい口腔環境を目指せます。*プロデン:特許4648611
ターキーを主原料にしたグレインフリーフードなので、穀物アレルギーが気になる飼い主にも安心です。
②『ペットケアーズ』犬猫どちらも使えるリキッドサプリ
ペットケアーズは、人間の再生医療や美容医療などでも注目されている、幹細胞培養上清液を配合した犬猫どちらにもおすすめのリキッド状サプリメントです。
歯周病予防だけでなく、すでに炎症が起きている場合でも幹細胞培養上清液の効果で沈静化が期待でき、健やかな口腔状態へと導きます。
動物病院でも使用されることがある先端医療を、毎日のフードにプラスしてみてください。
フードやおやつに1~2滴たらすだけなので、手軽に始められます。
③『お口のふりかけ』専用ミルで鮮度のよいサプリメント
いつものフードに振りかけるだけの、デンタルケアサプリメントです。
ラクトフェリンとオリゴ糖も配合されており、腸内の健康を保ちつつ免疫アップも期待できます。
ヒューマングレードのサプリで、素材にこだわる飼い主さんにもおすすめです。
専用ミルで必要な量だけガリガリ削るため、サプリの鮮度が保ちつつ衛生的で手軽にフードにトッピングできます。
ミルでガリガリするだけなので、お皿が並ぶ多頭飼いのごはん準備が楽になりますよ。
④『猫用グリニーズ歯磨き専用スナック』おやつにもおすすめ
米国獣医口腔衛生協議会が認定している人気のデンタルケアおやつです。
独特の形状のスナックタイプで、カリカリと噛むことで歯垢を落として歯石化を防ぐとされています。
デンタルガムの投与時期では非投与時期と比較して有意に歯垢(減少率54.8%(p=0.001))および歯石(減少率62.0%(p=0.02))の付着率が減少し,歯肉炎(減少率53.8%(p=0.04))が軽快あるいは軽減した。特に,これらの効果が期待される裂肉歯(上顎第4前臼歯と下顎第1後臼歯)および上顎第1後臼歯の6歯では,歯垢(減少率56.6%(p=0.0002))および歯石(減少率66.0%(p=0.001))の付着率が減少した。
引用は犬用グリニーズの論文ですが、猫に対しても同様の効果が期待できます。
ただし、犬歯や切歯では歯肉炎の現象は見られなかったという結果でした。
奥歯のケアとしてグリニーズを与えて、前歯と犬歯はブラシやシートで磨くという方法もおすすめです。
3.定期的な歯科検診
猫のデンタルケアは、自宅でできるケア以外にも、定期的な歯科検診も重要です。
歯科検診は歯垢や歯石の除去だけでなく、歯や歯茎の健康状態のチェックも行われます。
定期的な歯科検診によって、猫の口腔内の問題を早期に発見し、適切な治療に繋がります。
動物病院によっては歯科専門の医師や外来を設けているので、ぜひチェックしてみてください。
【まとめ】猫の健康を守るためにもデンタルケアは必須!
猫のデンタルケアは、口内環境の健康維持、全身の健康への影響、経済的な負担の軽減といった面で非常に重要です。
定期的な歯磨きや歯石除去、適切な食事などを通じて、猫の歯の健康を守りましょう。
デンタルケアについて困ったことがあれば、動物病院に相談してください。
参考文献
1) 岩下, 直樹. 伴侶動物の歯周病に関する研究 The study on periodontal disease in companion animals [CiNii]. 学位論文 / Thesis or Dissertation(1)[引 用 2019-04-23].Available from Internet: URL:https://az.repo.nii.ac.jp/records/5305
2) 藤田 桂一, 伊藤 寛恵, 笹原 沙衣子, 鴇田 真弓, 長田 裕子, 川重 結子. デンタルガムによる犬の口腔内衛生効果 [J-STAGE]. / Original Article[引 用 2008・17巻4号 p. 109-115].Available from Internet: URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/dobutsurinshoigaku/17/4/17_4_109/_article/-char/ja
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